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2016年のArtue(というより僕個人)の目標の一つに、「売れる新人アーティスト
の発掘」があります。

そこで、鼻息も荒く、国立新美術館の『DOMANI・明日展』へ行ってきました。
これは、文化庁の支援で海外に研修に行ったアーティストたちの成果発表の場
としての展覧会です。
全くの新人ではなく、ある一定の評価を得ている人たちということですね。

12名のアーティストの作品が展示されていました。
絵画、インスタレーション、版画、布、綿…。
様々なスタイルの作品群でした。

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みなさん、評価を得ている方々だけあって、基礎というか、作品を丁寧に形に
する技術というのは申し分ありませんね。

上の彫刻(『a tree man』木、磁石、鉄粉、チタン)は形も綺麗に整えられているし、
表面に小さな窪みが均一に表現されていて、丁寧な仕上がりだと思います。
最後の3面の絵画は、シャープペンシルで描かれており、細密な模様の組み合わせで
構成されています。

技術的には上手ですよね。 

均整がとれていて、綺麗で、丁寧で…。

中学の美術の先生なら、5段階評価の評定「5」くれそうですね。 
でも、僕はあまりピンと来なかった。
欲しいと思いませんでした。

正直、僕はアートの勉強をしていないので、技術も評価ポイントも分かりません。
なので、欲しいか欲しくないかの感覚だけで見ています。
その観点から言うと、「欲しい」と思えるものはありませんでした。

なんか、作品から訴えかけてくる情熱とか熱意が伝わって来ない。

なんだかんだ言っても、歴史上評価されている人の作品には、そういう「勢い」
みたいなものありませんか?
雰囲気みたいなもの。
素人からすると、そんな雰囲気が欲しいんですよね。

「どうしてもこの描き方、形で伝えたいメッセージがある」という作者の意思が
伝わって来ないように思いました。
技術あるでしょ、形が綺麗でしょ、って考えながら点数を取りにいってる感じ。
判定勝ち狙いの柔道の試合みたいな感じ。

綺麗なだけでは、アートまでいかないんだ、ということを最近感じます。
訴えかけてくるものが欲しいですね。
個人的な好みの問題として。

国の支援を受けているから、あまり滅茶苦茶なこともできないのかな。
でも、裏を返せば、きちんとした基礎があるということで、今後、本当に訴え
かけたいものが彼らの中に芽生えたら、技術的にしっかりした、でも、一見すると
滅茶苦茶な、破壊力のある作品を世に問うてくれる人が出てくるかもしれませんね。
その時に期待です。

結果として、今回は「これは売れる!!」と思える作品には出会えませんでした。
 

その中で、アートとしてというか、社会風刺的で笑ってしまったのがこの作品。 

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『ぼんやり階級ハンコ』という作品です。
「自分にもまわりにも、根拠の無いぼんやりとした階級を勝手につけて生きてる
ことあるよな」って思い当たるところがありました。
 どんな肩書きで生きるかは自分次第だと言われたことがあります。
どうせなら、いい肩書きというか、肯定的なイメージを持って生きていきたいですね。 

 

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